【その2】ベトナムの芸術界をリードする 若手精鋭10名が初来日。

こんにちは。Mです。
さて、先日ベトナム文化人招へいのインタビュー一部をご紹介しましたが、今回はその続きです。。


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本日登場する方はこちら。

グエン クワン ズン (Nguyễn Quang Dũng)
映画監督/脚本家/舞台音楽監督
制作してきた4作品中、3つがベトナム映画史上売り上げNo.1記録を持つ、「観衆を映画館に呼ぶ男」と評される売れっ子若手映画監督。大学卒業後、映画『The Cock(原題:Con Ga Trong)』の監督および作曲で大ヒットを飛ばす。その 後映画監督、作曲家、舞台音楽監督として活躍し現在に至る。


(c)Kenichi Aikawa



−ズンさんは、日本の印象はいかがでしょうか?



 (ズン)今回いろんなところに連れて行ってもらいましたが、色々な地域の景色をみて、この景色がそこに住んでいる日本人にとって、どんな影響を与えているんだろうか、ということを考えながら旅をしました。


−さすが。視点が映画監督。


 (ズン)歌舞伎や寺やあるいは建物を見ていて、日本人というのは細部にこだわる国民性があるように感じました。

 日本に来る前は、日本というのは現代的な先進的な国なんだろうな、という漠としたイメージを持っていたんですが、実際に来てみて、先進的だからこそ、伝統に回帰するところがあるんじゃないかなと感じてます。

 
 それと、日本には、その伝統とか古い文化を守りながらも確信的に打ち破る、というところがあるんじゃないかというのも強く思いました。



実はズンさんとは来日すぐの時期に四ツ谷のバーでお話を聞く機会があり、日本映画をどうご覧になっているか聞いてみたんですが、日本映画の特徴である、暴力などの描写の極端さ、というのはベトナムではちょっと難しいかなー、でもそこがヨーロッパには受けるのでしょうね、というお話をされていました。


ズンさんはベトナムで娯楽大衆映画を多く監督されているのですが、これも、ベトナム人が映画館に足を運ぶという習慣ができて、映画業界に多くのお金が流れるようになれば、芸術性の高い映画や実験的な映画を製作するお金もできるんじゃないかという考えからなんだそうです。映画というのは、時間も越えて多くの聴衆に見てもらうことができ、そこが舞台芸術と違って自分が面白いと思う点だ、ともおっしゃっていました。

−日本滞在もあと1日ですが。



 (ズン)父親*1はいつも一番美しくて、豪華なものも見せてくれたけど、同時に一番底辺のものも見なさいと教えてくれたんです。日本では綺麗なものばかり見たので、あと少しの期間でそういった底辺のもの、が見られるかどうか(笑)。

 
 日本の普通の人たちが、どんなふうにモノを考えているかとか、あと少しですけど発見できたらなと思っています。あ、そうそう、映画も見ようと思っています。





(c)Kenichi Aikawa


さらに続きます・・・。

*1:後からほかの方から聞いたのですが、作家のNguyen Quang Sangの息子さんなのだそうです。お父さんの作品は日本語にも出版されており、読むことができます。