★2007年は日印交流年です★(「アジア4カ国共同演劇・後編)


普遍性をかなり意識したイランやウズベキスタンと、どこまでもインド色の強いインド。共同演劇が完成するまでにはどんな困難が待ち受けていたのでしょうか?前回に引き続き、「アジア4カ国共同演劇」の後編をお届けします!

  
<稽古風景>                   <会場に列をなす人々@ニューデリー


敵か? 味方か?  


:そんなインドと準備万端のウズベキスタンとイランでは、ことはスムーズには進まなかった。
:言葉の問題もありますし。共通語が英語だと、どうしてもインド人が有利になるでしょ。
:インド人にしゃべられたら、ストレス溜まりそうですねえ(~ヘ~;)。
:言葉だけじゃないですけど。やはり、人との関係性の問題ですね。作業が始まって1週間くらいして、なにかうまくいってないと感じて、稽古が終わってから安い食べ物を用意して、パーティーを企画したんです。そしたら、え?っていう感じ。みんな即、大爆発で踊りだして、大ディスコ大会。
:コミュニケーションがスムーズになった。
:それでも、作業に戻るとまたいろいろある。で、今度はインドの俳優さんたちが週末に、他の国の人たちを地元のクラブに誘ったの。だれも行かないだろうって思ってたら、全員参加して、また大騒ぎ。やりすぎでお店に怒られちゃって。
:これで、みんな友だちになった。
:いや、やっぱり敵(笑)。ウズベキスタンとインドは、キャリアの豊かな演出家で、ウズベキスタンは自分の確立したスタイルを迷わず出してくる。インドの演出家はせっかく環境が整ってるんだからと、新しいことに挑もうとするタイプ。イランの演出家は一番若手で、負けるかっていう意地がある。


完成へ

:でも、今は初演が終わって、演出家は3人とも、お互いがどんな物語をどんな手法で提示してくるか、わかってますよね。
:ええ、公演が終わってから大ミーティングをやって、問題点を洗い出しました。今は各自が自分の国で、それを熟成させているところです。
:10月の日本公演で完成をむかえるわけですね。
:初演させてもらったインドには申し訳ないですけど、日本で見るほうがオイシイでしょうね。(゚∇^*) テヘ♪
:インド人も日常から離れた世界で演劇に打ち込めるわけですね。
:インドは順番が最後だから、大団円を締めくくる責任とおもしろさを背負っていますし。
:では10月の日本公演を楽しみにしています。この『演じる女たち』のウズベキスタン・パートと繋ぎの音楽を担当したウズベキスタンのアルチョム・キムさんの音楽は10月の公演に先行して聴けるんですね。
:そう、彼は、3月に日本公演をするウズベキスタンのイルホム劇場の作品でも音楽を担当しています。
:それはマルク・ヴァイル演出によるプーシキン原作コーランに倣(なら)いて』ですね*1。なんだかウズベキスタンづいてますね。(~O~;)
:このプロジェクトを始める時、ウズベキスタンからオブリヤクリ・コジャクリマルク・ヴァイル、どっちに入ってもらおうか、すごく迷ったんです。2人はまったく違うスタイルだけど、どちらも捨てがたい。最終的に、共同制作にはオブリヤクリを選んだんですけど、マルクもぜったい紹介する必要があると思って、彼には自分の作品で日本に来てもらうことにしました。
:では、『コーランに倣いて』も楽しみにしています。

インドでの公演は、お互いの作品を全く知らない状態から一つの作品に仕上げていった。それにはそれの、ダイナミックなおもしろさがあると思いますが、10月の日本公演までには、じっくりと練り上げる時間が与えられている。・・・ということで、全体として、どのような変貌を遂げるのか、ひじょーに楽しみですね!この、日本公演については、このブログでもまた取り上げていく予定ですのでお楽しみに!!!

*1:今度の週末、3月3日と4日は長野公演、8日〜11日が東京公演です!詳しくはこちら