『遠近』第10号を深く楽しむための読書&WEB案内

東京はすっかり春ですね。ジャパンファウンデーションが出している雑誌『遠近』(をちこち)の発行日に登場する麦谷です。

さて、今号は、「世界で愛される日本食」と題して、世界各地でSUSHIやTENPRAなどの日本食がブームになっているだけでなく、様々な形で現地で定着している様子をお届けしています。是非、お手に取って、お読みいただければと存じます。目次はこちらです。

前回に引き続き、『遠近』をより深くお楽しみいただくために、記事や執筆くださった方に関連した読書&WEB案内をお届けします。
まず始めに、女優の檀ふみさん、辻調理師専門学校*1校長の辻芳樹さん、毎日新聞の西川恵さんによる鼎談「日本の食文化を世界にどう発信するか」に関連して。


◆辻芳樹さんが食の最前線で、美食の可能性を探求
『美食進化論』 辻芳樹・木村結子 共著


美食進化論


その辻芳樹さんが料理監修を務めた2000年の九州・沖縄サミットの「社交夕食会」のメニューもあわせてご覧下さい。


檀ふみさんのワイン修行の成果
『アガワとダンの幸せになるためのワイン修業 カジュアルワイン編』 檀ふみ阿川佐和子 共著


アガワとダンの幸せになるためのワイン修業 カジュアルワイン編


『ゴージャスワイン編』もあります。


アガワとダンの幸せになるためのワイン修業 ゴージャスワイン編


◆饗宴と外交の密接な関係を知る一冊
エリゼ宮の食卓―その饗宴と美食外交』 西川 恵 著


エリゼ宮の食卓―その饗宴と美食外交 (新潮文庫)


◆公邸料理人と言えば、このマンガ*2
大使閣下の料理人西村ミツルかわすみひろし


大使閣下の料理人 (24) (モーニングKC (1496))


次に、執筆者が紹介している今号記事に関連する自著などです。

◆ブラジルの食文化ジャーナリスト アルナルド・ロレンサートさんもこれで日本料理を学んだ! 英語による日本料理の入門書
『Japanese Cooking: A Simple Art』辻 静雄 著

Japanese Cooking: A Simple Art


著者の辻静雄さんは、辻調理師学校の創設者として、また料理界の巨匠として有名な方ですが、巻頭鼎談にご登場くださった辻芳樹さんのお父上です。

ロレンサートさんが見学したキッコーマンの御用蔵醤油や醤油の製法については、キッコーマン(株)のHPなどで学べます。皆さん、醤油ってどうやって作るかご存じですか?

◆デブラ・サミュエルズさんが味わった「月心居」*3の精進料理
『精進SHŌJIN−野菜は天才』棚橋 俊夫 著


精進SHOJIN―野菜は天才


デブラさんが主宰する料理教室「Cooking at Debra’s」のHPでは、素敵なおもてなし料理のレシピ(英語)も見られます。

シドニーの食を変えた日本人シェフのレシピ
『TETSUYA−シドニーテイスト』和久田 哲也 著


TETSUYA―シドニーテイスト


アメリカ人の日本酒ジャーナリストのとっておきの話
『日本人も知らない日本酒の話』 ジョン・ゴントナー 著


日本人も知らない日本酒(さけ)の話―アメリカ人の日本酒伝道師、ジョン・ゴントナー


◆器からみた日本の食文化を知る
『図説 日本のうつわ−食事の文化を探る』神崎 宣武 著


図説 日本のうつわ―食事の文化を探る (ふくろうの本)


記事には書ききれなかった話が、WEBでさらに深く分かります。

山陰中央新報の中山記者がレポートした松江のNew和菓子ってどんなもの? 松江の和菓子in New York

◆食卓から海と魚を見直す白石ユリ子さんのウーマンズフォーラム魚の活動
水産庁『図で見る日本の水産』−日本の海と魚のことが概観できます。英語版もあります。

◆杉本節子さんのおばんざいレシピ 散歩好きの京都〜節子の番菜覚
◆京都の町屋文化を継承する財団法人奈良屋記念杉本家保存会

◆フランス人シェフによる日本料理ワークショップ(主催:日本料理アカデミー(前出の辻芳樹さんが副会長をお務めです)で、今回、フランス人シェフを受け入れた日本側の料亭*4は、瓢亭竹林菊乃井木乃婦美濃吉美山荘近又でした。


その他、著者の新著のご紹介です。

◆世界屈指の美食家たちの料理を再現
ラブレーの子供たち』 四方田 犬彦 著

ラブレーの子供たち


◆アジアと沖縄を縦横無尽に旅する
『アジア帰りに沖縄ふらり』 下川 裕治 著

アジア帰りに沖縄ふらり


最後に、「をちこち散歩」を連載くださっている中上紀さん、平野啓一郎さんの新著もご紹介します。

『シャーマンが歌う夜』 中上 紀 著


シャーマンが歌う夜


『顔のない裸体たち』 平野 啓一郎 著


顔のない裸体たち


以上、特集「世界で愛される日本食」をより深くお楽しみいただくための読書&WEB案内でした。
次号の6月号は、「多文化・ミドルパワーの国、オーストラリア」(仮題)の特集テーマにて、日豪交流やオーストラリアの社会・文化についての記事をお届けする予定です。お楽しみに!

*1:辻調理師専門学校の名は、関東では一流シェフを養成することで有名ですが(何しろ「料理界の東大」ですから)、関西に住んでいたことのある私にとっては、「辻調」と言えば、子供の頃聞いたCMソングのフレーズを有名塾の名前に替え歌にしたり(今もあるんでしょうか♪)や、『探偵!ナイトスクープ』の「えッ! こんなものがお料理に!林先生のお料理コーナー」で毎度、大爆笑したという不謹慎な思い出ばかりが溢れてきます・・・。

*2:このマンガに登場する大使のモデルは、ジャパンファウンデーション理事長の小倉和夫(元ベトナム大使)らしいと聞いたことがあるのですが、本当なんでしょうか。

*3:先週金曜日に、友人と旬の野菜のコースを堪能してきました。東京都港区の表参道ヒルズの裏手にあります。夕食時のみの営業で、2種類のコースで予算は1万円〜1万5000円程度です。席数が限られていますので、電話で予約してご来店ください。(月心居/住所:東京京都渋谷区神宮前4-24-12、最寄駅:東京メトロ表参道駅、電話:03-3796-6575)

*4:そうそうたるお店ばかりですね・・・。