「コウカシタ」:1年3ヶ月に亘る物語が完結した夜☆

みなさんこんにちは、オレペコです。
タイはまたもや政情不安、、、前回は黄色シャツで今度は赤シャツ。色でどっちのグループに属しているかを区別するってわかりやすいっちゃわかりやすいけれど、、、


それはさておき、今日はまず写真をご覧ください↓。1月にチェンマイバンコクで実施した、コンテンポラリー・ダンス・日タイ共同制作作品「コウカシタ」の一場面なのですが、、、(以下、写真はすべて(c)The Japan Foundation)


双子ちゃんが、2組も???
いえいえ、上の写真の左二人は正真正銘の双子のタイ人ダンサー、EggちゃんとOutちゃん、下の男性ふたりは、今回の作品の振付・演出をしてくださり、自らもダンサーとして踊った井手茂太さん(左)と、タイ人ダンサーのBubbleさんです*1。背丈も肉付きもよく似ていらっしゃるお二人。 「国境を超えた奇跡の双子」なんて呼び声も高く・・・笑。



オレペコと彼らとの出会いは、実は、井手さんとフェスティバル・トーキョー(以下F/T)のスタッフさんがタイ人ダンサーのオーディションのために来タイした2008年10月にさかのぼります。当時はまだ、基金バンコク日本文化センターに約200名収容の自前のホールがあったので、そこをワークショップ&オーディション会場として提供したのでした。


タイの演劇・ダンス関係者を通じて呼びかけたところ、予想を超える70名以上の人が集合。井手さんの口から次々飛び出すシチュエーションやリクエストにしたがっていろんな体の動きを即興で演じているタイの人たちの楽しそうな様子と、「テスト対策」的な準備だけでは絶対に化けの皮がはがれてしまいそうな課題をユーモアを交えて与え続ける井手さんのオーディション・スタイルに関心しながら、客席から眺めていたのを覚えています*2


そんな熾烈な競争を勝ち抜いて選ばれたのが、個性あふれるダンサーたち(写真前列。ちなみに皆さんが手にしているのは、タイ公演のチラシ)。


2008年12月には、日本のダンサーたちがタイにきてクリエーションワークショップを行い、明けて2009年2月には今度、タイ人ダンサーたちが一ヶ月に亘るクリエーションのために日本へ。3月のF/Tでのプレミア公演を経て、「せっかくのコラボ作品なんだから、ぜひタイでも公演しよう!」ということで実現したのが今回のチェンマイバンコク公演でした。


約10ヶ月ぶりの感動の再会と、その後の当地でのお稽古の様子などは、F/Tさんのブログに詳しいのでそちらに譲るとして、、、


私がすごく印象に残ったのは、ツアーマネージャーさんが「この作品はここタイで漸く完成を見ましたね」という言葉。上記F/Tブログにもあるように、タイでの制作と公演は、決して順風満帆だったわけではありません。お決まりの「頼んでいた荷物が時間通りに届かない」「機材は届いたけど、壊れてて使えない」などなどなどなど(苦笑)、テクニカル面で大変なことは挙げればキリがないほど。けれど、自分の国で公演する緊張感からか、より一層気合の入っていたタイ人ダンサーたち、十分なクリエーション期間のおかげで細かい発展的なツメが出来たこと、、、などのおかげで、たち稽古をみた瞬間に、「これはおもしろい!」と入り込めるような、そんな舞台ができあがったのでした!


そのパワーが伝わったのか、チェンマイは、キャパを大幅に上回る人が通路にまであふれる大盛況、バンコクもほぼ満席。そして、バンコク公演を見に来てくれた演劇評論の方が、新聞で「普通、共同制作というと、参加者同士が学びあう過程自体が最も重視され、結果としての作品の質などはあまり問われないことが多い。だが、この作品は違った!」と、作品自体が優れた出来であったことを指摘してくれ、さらには、照明やコスチューム、音響などの技術の高さにも言及してくれました。普段なかなか表に出ない、技術のかたがたの功績に触れてくれたのは、いつも裏方としてサポートしているオレペコとしてはとってもうれしかったです!記事はこちらから見られますので、ぜひ読んでみてください!


さて、バンコク公演終了後。
長い長いひとつのストーリーが完結した夜。



いつの間にか、これまで取りためた写真をまとめて、感動的なスライドに仕立てあげていたタイ人ダンサーたち。打ち上げの場で、思わず笑いと涙が!



ひとつの家族のような空気感。素敵な笑顔があふれていました。

*1:タイ人って本名がすごく難しいのでみんなニックネームがあるのだけど、面白い名前が多いんですよー。英語から取ったニックネームも多く、アップルのプルを使った「プン」ちゃんとか、芸術家でアートくん、なんて名前の子も・・・(^^;)

*2:ちなみに右の写真は、チェンマイ公演の会場に住み着いていた猫ちゃん。癒〜☆