シアトルで日本人アーティストによる写真展に遭遇!

こんにちは、mioです。
ここ数日で東京はぐっと冬の気配になってきましたね。
気がついたら街は年末モードで、猛暑の夏があったことなんて、はるかかなたに感じられますが…
今日は、私が夏休み(といっても9月末)に訪れた旅先シアトルで、ちょうど開催されていた国際交流基金の「巡回展」、「スピリトを写す−日本の現代写真(英語タイトルは:Counter-Photography: Japan's Artists Today)」の模様をお届けします!

そもそもこの「巡回展」とは、国際交流基金の「所蔵美術作品を展覧会セットに仕立て、海外に巡回する展覧会事業」のことで、現在21種類の展覧会が、世界各地を回っています。展示をされるのも美術館だけでなく、今回のようなアートセンターやオルタナティブスペース、文化機関や政府機関の持つ小さなギャラリーや、町の集会所のようなところまで!多くの展覧会セットは、本格的な美術館設備が整っていないところでも展示が出来るように考えて作られているそうです。
詳しくは、 こちら「文化芸術交流>海外巡回展」のページ から。



先日まで原美術館で開催されていた「ウィンターガーデン」展は覚えていますか?(ブログでも…ここや ここや ここで 何度か紹介されていました!)実はこれも、「巡回展」の最新作!現在この展覧会はドイツのケルン日本文化会館で展示されており、その後、イタリアへと旅立つ予定…今後、旅先はどんどん増えていくことでしょう!



この「巡回展」、常に世界中をめぐっているため、メンテナンスで一時帰国するときや出張で現地の様子を確認する時以外には、巡回の担当をしている本人ですら作品を見ることが出来ないことも多いんだとか…!というわけで、今回友人を訪ねたシアトルで開催されていると聞き、これはチャンス!と真っ先に駆けつけたのでした。




前置きが長くなりましたが…これが今回展示を行っていた「Photographic Center Northwest」です!シアトル大学に隣接する写真センターで、普段はギャラリーやスクール、貸しスタジオとして活動しているようです。
もちろん、シアトル大学で写真を専攻している学生も頻繁に利用します。



受付のある1Fのギャラリースペースから、巡回展「スピリトを写す」は始まります!正面に大きく展示されているのは、杉山晶子さんの「インスパイラルII」



開放的なラウンジに、稼動壁を使って展示されていました。



スクール事業が行われているところですので、施設の大半はスタジオと教室。作品はギャラリーだけでなく、教室の中まで続いていきます。これは1階にある比較的大きな教室の中。正面には石原友明さんセルフポートレートと米田知子さんの壁紙を映した作品が見えます。



ホワイトボードには、アサイメントのメモが!




展示は小さい教室や教員の部屋のある2階にも続きます…センター全体が展示会場になっていて、どこに行っても作品に作品があるので、思わずトイレの中ものぞいたほど。





この日本人写真家たちの作品は、シアトルではどんな風に受け止められているのでしょうか?
センターのギャラリーディレクターを勤めるアンさんに突撃インタビューをしてきました!
(写真はありませんが、めがねがおしゃれな、とてもおきれいな方でした)

Q.どんな人が見に来てくれていますか?
スクールに通う学生はもちろん、シアトル大学の美術やアジアに関心のある学生も足を運んでくれています。また今回は、アジア系の雑誌を重点的に広報したこともあり、今まで当センターに足を運んだことのない新しい層が来てくれているという実感がありますね。

Q.スクールの学生はどのように作品を見ていますか?スクールに通い始めた学生が、展示されている写真の前で立ちすくんで、「どうやったらこんな風にプリントできるんだ?!ボクのと全然違う!」とショック混じりに見ていたということもありました。スクール事業を行う同センターにとって、直ぐ近くに作品があるという環境は、ここで学ぶ皆さんにもとてもいい影響があるみたいです。

Q.巡回展を開催してのご感想は?
杉本博司さんなど、著名な方の作品は小規模のセンターではなかなか展示することも難しいもの。細江英公さんは過去にセンターでレクチャーをしてもらったこともあり、彼の作品を展示できることは非常にうれしく思っています。また、展覧会として企画されている、美術館レベルの展示を行えるというのもこの巡回展ならでは。米田さんの作品は、このような時間性を扱う手法が90年代後半にすでに大成させていたということがとても新鮮でしたし、石原さんの顔を写さないポートレートもとても印象的な作品ですね。


アンディレクター、ありがとうございました!


さて、今回友人に再会しに訪れたシアトル、海(と湖)がきれいなとてもすてきな街でした。


シアトルラテの発祥地でもありますね…!

おまけに、
観光に訪れた場所には、昔のガス設備をそのまま残した「Gas Works Park」という公園が…!
犬島を彷彿とさせるこの公園…工業遺産の文化的活用の最先端…?!
いろんな収穫のあったシアトル旅行でした。