海外日本語教師長期研修インタビュー PART2


日本語国際センターでは昨年9月から、海外で活躍する比較的若い(35歳以下!)ノンネイティブ日本語教師の方々のための「長期研修プログラム」を実施しています。プログラムが始まってまもなかった10月にはこのブログでルーマニアのサンドラさんをご紹介しましたが、半年にわたる訪日研修も、残すところ1ヶ月を切りました。今日は2名の先生にお話を伺いました。


まずは、ミャンマーカンワさん(ヤンゴン外国語大学)です。長期研修プログラムが始まって5ヶ月以上たちますが、半年間の研修は長く感じますか?それとも短いですか?

今の私の気持ちとしては、早く国に帰りたいです。…と言っても日本が嫌だとかホームシックだとか言うのではなく、この5ヶ月間でいろいろなことを勉強したので、それらを早く授業で実践してみたい、という気持ちが強いのです。忘れないうちに実際に試してみたいので、とりあえず今はいったん国にかえってすぐに教壇に立ち、いろいろな経験をした上で、数年後に日本語国際センターの修士コース(日本語教育指導者養成プログラム)に挑戦したいと思っています。


<11月の埼玉国際フェアでミャンマーの舞踊を披露したカンワさん>


とても前向きですねd(*^ー゚)b
カンワさんは課題や授業準備などのためいつも夜遅くまで勉強しているそうですが、とくに役に立った授業はどんなものがありましたか?

私が特に興味をもったのは、文法の授業でした。毎週水曜日に文法の授業があるのですが、体の具合が悪くてもこの日はどうしても出席したい、というくらい面白かったです。ミャンマーにいた頃、文法を教えるときはただ教科書に沿って教えていましたが、センターの文法の授業では、ある語法をとりあげるときに『日本人がどんな場面で、どんな考えにもとづいてその表現を使うのか』をとても具体的に考え、今まで気付かなかったことをたくさん学びました。私もこれからは文法をもっと面白く教えられる、と思っています。

授業以外の空き時間や休日はどんな風にすごしていますか?

土日は一人であちこち出かけています。私は今回はじめて日本に来ましたので、(教授法を学ぶだけではなく)自分自身が日本語がもっと上手になることが大きな目的です。センターの中だけにいたのでは日本語の練習としては不十分な面もありますので…。こないだは池袋に行きましたが、ミニスカートの高校生とか、センターの中にはいないようないろんな人たちが街中で観察できるので、面白いです(笑)。ミャンマーで日本語ボランティアをしていたことのある日本人の友人たちと居酒屋に行って終電で帰ってきたりしたこともあります…。でも最近は、ナタポンさんと一緒にセンターの管理室にいることも多いです。


<カンワさん(左)とナタポンさん(右)>



そうそう、空き時間のすごし方で私も注目していたのはタイナタポンさん(泰日工業大学)です。ナタポンさんは夜や休日にセンターの管理室でスタッフと一緒に過ごしていることが多いですよね。いつからなんでしょうか?

去年の11月くらいからです。僕も授業後は外に出かけたり、友達に会いに週末に旅行したりすることも多いですが、センターで自分の部屋でただ本に向かって勉強してばかりいてはつまらないので、いつのまにか管理室でスタッフの皆さんが働いているところを見ていたり、話しに行くようになりました。僕は日本に来るのは留学も含めて今回で4回目なので、日本で生活するということについての新鮮な感動や驚きはカンワさんほど多くなかったかもしれません。


でもその分、「もっといろいろな日本人と話したい!」という気持ちが強くて、授業以外の時間はセンターで働いている管理室のおじさんたちや受付の皆さんのところに行って、仕事の内容を教えてもらったり、本で覚えたばかりの日本語を使ってみて、おかしな反応が返ってこないかどうか試してみたりさせてもらっています。せっかく日本にいるので、たくさん日本人と話がしたいんです。毎日いろいろなことを教えてもらえるので楽しくて、僕はまだまだ国に帰りたくないです・・・。


<センター管理室のS見さんと>


ナタポンさんは時には夜間当直のスタッフと一緒にセンター内の巡回に行くこともあるとか・・・w(゚o゚)w
いろいろなスタッフと仲良くなって、センターの隅々まで知っていそうですね。ひょっとしたらセンター勤務2年の私よりずっと詳しいかもしれません(苦笑)。…長期研修プログラムに参加している22カ国38名の先生たちは、2月半ばの期末試験、そして関西方面への研修旅行を終えるとまもなく、それぞれ国に帰っていきます。