ナツタン(夏短)って?!〜浦和日本語国際センター(NC)だより Vol.1〜


みなさん、こんにちは〜。


日本語教育事業について関心がある方々に朗報です!今月から定期的に、浦和の日本語国際センターで実施されているさまざまな事業について報告記事が届くことになりました 
\(*^▽^*)/;・*.";.*: パチパチ


第一号は通称「ナツタン」についてです。
それでは、どうぞー!


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NCニコと申します(^-^*)/ハジメマシテ!
これから月に一度、ジャパンファウンデーションの附属機関である日本語国際センター(通称「NC」:Nihongo kokusai Center)の事業をご紹介することになりました。
今日はNCで今まさに行われている  「ナツタン(夏短)」 ・・・プログラムの正式名称は「海外日本語教師短期研修(夏期)」です・・・をご紹介したいと思います。


各国の日本語教師である研修参加者たちが来日したのは7月4日。アジア全域から北米・中南米、西欧・東欧、中東・アフリカまで実に 26ヶ国54名、まさに世界中の先生方がNCに集まっています。8月24日までの52日間の研修期間中に、日本語や教授法の授業のほか、ホームステイ、歌舞伎鑑賞、茶道・書道の体験講座、日光や関西方面への研修旅行など盛りだくさんの日本文化体験プログラムが組まれています。日本語教育という同じ道を志す各国の先生方がここ北浦和に集まって、日々熱い議論や交流が交わされていると思うと、直接プログラムを担当しているわけではないNCニコも胸が熱くなる思いです。


さて、実際にこのナツタン研修を担当している石井さんにお話を聞きたいと思います。石井さんはさいたま市役所の職員ですが、この4月から国際交流基金に派遣され、NC研修事業課で働いています。


---NCに来て初めて担当される研修がこのナツタンですが、事業準備から研修実施まで、率直な感想を聞かせてください。短期とはいえ52日間、予測しなかったハプニングなどあったのでは?


2ヶ月ほど前から準備して、研修が始まるまでは緊張して仕方がなかったのですが、始まってみると、毎日があっという間に過ぎていきます。もうすぐ研修が終わるなんて、信じられません。(/_<) ナケルネェ
研修参加者の中には、自国と生活環境が変わって気持ちが落ち着かず、どうしても勉強に集中できない、と悩みを打ち明けにくる人もいましたし、体調を崩してしまった人を病院に連れて行くこともありました。各国の日本語教師の方々ばかりですので、日本に来るのが初めて、という参加者はほとんどいないのですが、やはり短期間で集中的に勉強し様々な情報を吸収してもらおう、というこのプログラムはなかなかハードなようです。ですが、担当者である私に何でも相談してくれるという関係づくりがうまくできたことは良かったなと思っています。


---研修に参加している先生方の間の雰囲気はどんな感じなのですか?


らゆる国の人たちが集まっていますが、国や性別に関わらずお互いに仲良くなって一人もぽつんと座っているような人はいず、良い関係が築けていると思います。こんなにも多くの国の人たちとグループになって集団生活をする機会はなかなかないと思いますし、この研修でできたネットワークを今後に生かしていってもらいたいですね。「オンライン同窓会」というシステムもありますし、参加者の連絡先リストも全員に配布するので、うまく活用して情報交換したり親交を保ったりしていってもらえるよう、私から皆さんにお話ししたいと思います。


---この数ヶ月、国際交流基金NCでお仕事された感想はいかがですか?ちなみにさいたま市からNCへの派遣(旧浦和市も含む)は石井さんで19人目にあたります。


いたま市役所では出納関係の仕事をしていましたし、今まで海外の方とお話したことはあまりありませんでした。私のように経験の浅い者でいいのかしらという戸惑いや不安もありました。ですが、研修が始まると、そのような気持ちは消えていきました。今回のナツタンは私が担当する初めての研修なのですが、研修参加者の先生方は優しくて、例えば時間にルーズな人たちが集合時間になかなか集まらないときには私に代わってみんなを集めてくれたりする等、協力的な雰囲気があり、この研修が始まって初めて、NCに来て良かったと思うことができました(笑)。ナツタンの後は秋以降「中国(中等)日本語教師研修」、そして「在外邦人日本語教師研修」を担当するのですが、次の仕事が今から楽しみです*1


石井さん、ご協力、どうもありがとうございました!


研修終了後、石井さんの担当者奮闘記がNCウェブサイトに掲載される予定ですので、みなさん、どうぞチェックしてみてくださいね。


ところで、研修中に教室で行われる授業以外の 「日本文化事情体験」 も冒頭で書いたように各種取り揃えているのですが、今後はさらに充実させていこうということで、今回の研修では日本のビジネスマンの生の声を聞く機会を設ける、という新たな試みをしました。講師はNCの松尾修吾所長です。松尾所長はソニーソニー・ミュージックエンターテインメント、(財)音楽産業・文化振興財団(PROMIC)等で要職を歴任してきました。NCニコはNCに異動になる前は舞台芸術課という部署にいましたので、ソニー・ミュージックさん、PROMICさんともに大変お世話になりました。NCにきて「さあ、日本語事業。舞台芸術とは全く違う新たな畑だわ!」と思っていたのに、意外にも前の部署でのお付き合いが現在のNC所長とつながり、驚いたものです。文化交流の世界は事業分野を越えるのですね。


それはさておき所長の特別講義ですが、 『日本の職場のミステリーと日本式意思決定』 という謎めいたタイトルで、取材のため講義を聞きにいったNCニコ自身も興味津々でした*2。日本のビジネス界が外国の方々から見ると「不思議」に見えるのはなぜか、を地理的要因などから説明するもので、面白い内容でした。講義の間に研修参加者の皆さんに日本の都市や世界遺産の所在地を日本の白地図と一致させたりするクイズを出して、自他共に認める「日本通」であろうはずの研修参加者たちが意外に首をひねってクイズに格闘する場面があるなど、終始楽しい雰囲気の講義でした。


海外で日本語を教える先生方は、日系企業で働くことを希望する生徒さんを教える機会も多くあるでしょうし、今回のようなビジネスマンによる講義はまたとない好機だったのではないかと思います。日本文化事情紹介バージョンアップ第2弾は、9月から始まる長期研修(海外日本語教師長期研修プログラム)での「コンテンポラリー邦楽」紹介の予定です。また北浦和からご報告しますね。ヾ(*'-'*)オタノシミニー♪

*1:オレペコより:NCで実施されている各種研修事業についてはこちらをご覧ください。

*2:オレペコより:講演の内容は、こちらからご覧になれます!なるほど、外国の人から質問を受けたら、こういう風に説明してあげればいいのね!という情報がいっぱいの、おもしろい記事になっていますのでぜひぜひご一読ください。