インタビュー2 「十把一からげにされたくない。 横並びではなく独自性を」 by 渡邊直樹 (『をちこち』編集長)

こんにちはMです。

本日は渡邊直樹編集長インタビュー第2弾。この間の続き(第1弾はこちら)を掲載します。


では、どうぞ。



再び・・・編集長。


休刊を惜しむ声*1があるのですが、それについては?

編集長:残念です。僕自身、大学の仕事なども忙しくなってきてますが、もうちょっとやってみたかったな、と思います。年に6冊出してきましたが、並べてみるとちゃんと傾向があるよね。地域ものとテーマものを交互にやってきました。

M:編集長の第1号の特集は「酒は地球を回る」でしたね。

編集長:うん、そう。これまでのイメージを何か変えたいと思って、やっぱり表紙がこれまでは弱かったので、強いインパクトのものにしたし、タイトルも『遠近』だと「えんきん」って読む人もいて読めない、せっかくいい名前なのに、ということでひらがなで『をちこち』にしました。

M: 編集長の昔の講演録に、デジタル化する世界の中で出版がどう変わっていくか、という内容のものがありまして・・・・

編集長:何それ、どこにあったの???


M: いや、ちょっと。筑波大学付属高校で講演されたものですが。基金は今後デジタル媒体をどう使っていくべきだと思われますか?


編集長:基金職員もそう思ってると思うけど、今「独法、独法」っていわれて、十把一からげにされたくないわけだよね。せっかく文化を通した交流を仕事にしているんだから、デジタル化っていうのは世界の趨勢でこれは意識しないといけないけど、何も横並びにする必要はないと思うんだよね。
そうではなくて、基金の仕事はどうして存在するかとかいう、中身とか内容を考えて独自性を出したほうが、いいと思う。発信の仕方はもっと考えたほうがいい。

 自主的にきちんと基金の活動をサポートしたい、おもしろそう、って思ってくれる人たちに対して、自分たちのやっていることの面白さや熱気が伝わるようなものを自信をもって発信してもらいたいと思います。


M:たぶん、新人の頃に仕事向けの文章を書く訓練をしたので、硬くなるというか、面白くなくなりがち、、、

Oさん: 自分たちでこれはいいよ、と書こうとすると、どうしても文章がおとなしくなるかも。

編集長: 感情を抑えて書くからいけない。時にはそういう言語も必要だけど、基金の仕事は人の心を動かすものなんだから、二つの言語を使い分けなければいけないんだよね。組織の中で自分が大切と思うことにウエイトを持って来ても、発信する時には伝わらない。いいイベントをたくさんやってるのに感情が伝わらないのはもったいないし、外の人がそれを知るのはいつも間際なんだよね。もったいないよね。


Oさん:そこはもっと努力だよね。



(さらに、続きます・・・

*1:2009年12月11日(金)東京新聞夕刊の「大波小波」でも「意図は真面目だがユーモアが忘れないメディアがまた一つ消えていくかと思うと心が痛む」と取り上げていただきました。