第13号はアニメ関連特集です+今回もプレゼント企画もあります!


すっかり秋らしく(@東京)になりました。2ヶ月ごとの『遠近』(をちこち)刊行ごとに現れる情報センターの麦谷です。


「日本発! アニメの魅力」の特集を組んだ10月1日号が発売中です。いまや世界中の子供・若者、そして大人までを魅了している日本のアニメーションについて、海外各地の事情レポートや、豊かでその多様な歴史などについてお届けしています。
巻頭では、アカデミー賞短編アニメーション部門にもノミネートされ、3大国際アニメーション映画祭でグランプリを総ナメにした『頭山』の山村浩二監督と、『サルでも描けるまんが教室』(通称「サルまん」)で有名な竹熊健太郎さんが、アニメーションの創造力について、テレビアニメからアート・アニメーションまで幅広くそして奥深く語り合ってくださいました。


目次はこちらです。Amazonなどの主要オンライン書店で取扱っている他、お近くの書店でお取り寄せが可能です。
今回も、『遠近』をより深くお楽しみいただくために、記事や執筆くださった方に関連した読書&WEB案内をお届けします。


◆ 表紙も飾った山村浩二監督の『頭山』はDVDでご覧になれます
「頭山」山村浩二作品集 
「頭山」山村浩二作品集 [DVD]


竹熊健太郎さんの「サルまん・21世紀愛蔵版」が出ました
上巻 サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 上巻 (BIG SPIRITS COMICS)
下巻 サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 下巻 (BIG SPIRITS COMICS) 
売り切れ続出らしいのでご注意!


何と山村監督も竹熊さんも、それぞれブログをお持ちで、お二人とも対談収録の後すぐにその対談の感想などをエントリしてくださったのです。すごい〜。その後のお二人の対話の続きもお読みになれますので、こちらもあわせてどうぞ! ということでトラックバックもしてしまいます。


◆ 山村監督のブログ 「知られざるアニメーション」
◆ 竹熊さんのブログ「たけくまメモ」


対談中に触れられていた各種フラッシュ・アニメーションは、WEBで見られるのが身上!予告編など無料で楽しめるコンテンツもありますので、あわせてお楽しみください。
蛙男商会
『スキージャンプ・ペア』真島理一郎
『ほしのこえ』新海誠) 


ところで、対談中にアニメーションのアーカイブがないという話がありました。京都に間もなく「京都国際マンガミュージアム」(仮称)が開館します(京都市京都精華大学の共同事業)が、アニメーションミュージアムの開館も待たれます!!


「ANIME、世界を駆ける」からも関連トピックスをいくつか。
プラネット映画資料図書館(大阪)
パリ日本文化会館のファブリス・アルデュイニ企画の「日本アニメの源流 1920年から1950年まで」のために作品の提供と選定をしてくださった安井喜雄氏が、1974(昭和49)年の開設以来、映画資料の収集と自主上映活動などを行っています。

米国アニメ市場の実態と展望 2006年8月リリース
米国のアニメビジネスについて寄稿くださった海部正樹さんが代表を務めるWOWMAX MEDIAが調査・執筆、PDF57ページの詳報です。

『スタートレック』のなかの「日本」カナダで日本・中国哲学の教鞭を執るグールディング先生も驚きの情報満載。 
ちなみに、カナダの各書店でのマンガやアニメの扱い点数は、グールディング先生が自ら書店に出掛けて調査をし、レポートしてくださいました!先生の写真の背後の書棚には無数のマンガ本が・・・。

◆ 10年がかりで実現した手塚治虫展inオーストラリア
フィリップ・ブロフィさんがキュレーションの「Osamu Tezuka: The Marvel of Manga」展は、11月3日からメルボルンのヴィクトリア国立美術館(National Gallery of Victoria International)で開催です。何と、オーストラリアの児童向けの解説プログラムもあります。読者でオーストラリアで日本語を教えていらっしゃる方などは是非!

高畑勲監督のチュニジア、モロッコでの講演
葛山優里子さんレポートでも紹介された高畑勲監督のモロッコでの講演は、ジャパンファウンデーションの日本紹介文化人派遣事業で、チュニジアでも講演をしてくださいました。「アニメーション文化は突如発生したものではなく、日本の伝統文化の基礎の上に出来上がっているという面もある」という内容に、多くの参加者が深い関心を寄せたそうですが、より深く知りたい方は、高畑監督の『十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの』をどうぞ。
十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの
 
宮崎駿監督は、2005年度の国際交流基金賞を受賞しています
様々な記事で、その作品の素晴らしさに触れられていた宮崎駿監督は、アニメーションを中心とした芸術活動を通じて、日本文化を普遍的に伝え、その独自のメッセージ性が世界中の若者たちの心をとらえた、として2005年度の国際交流基金賞を受賞しています。


その他、アニメーション全般、日本のアニメなどに関する本もあわせてご紹介します。
◆ アニメーションのいろはを学ぶ好著!
『アニメーションの世界へようこそ―カラー版』山村浩二
アニメーションの世界へようこそ―カラー版 (岩波ジュニア新書)

山村監督には、『ヤマムラアニメーション図鑑山村浩二ワークスブック』(2004年発行の改訂版がありますのでご注意)や多数の絵本、そして監督がセレクトした『国際アートアニメーションインデックス 山村浩二・知られざるアニメーション』というDVD(2本あります)など沢山ご紹介したい書籍・DVDがたくさんあるのですが、詳しくは、山村監督のHPをご覧ください。

◆ もうちょっと学術的に深めたいという方には
日本アニメーションの力―85年の歴史を貫く2つの軸』津堅信之
日本アニメーションの力―85年の歴史を貫く2つの軸
本誌の年表作成でも参考にさせていただきました。

◆ 刺激的なタイトル!
『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』 大塚英志大澤信亮
「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか (角川oneテーマ21)
「文化」と「産業」の両側面を持つ(って全ての文化事業がそうなのですけれども)「アニメ」を国際文化交流の枠組みでどう取り組んだらいいのか、一職員として迷ったりもしますが、興味深い本でした。

さて、最後に、特集以外の記事からいくつかご案内です。
◆ 巻頭グラビアでご紹介した「日本の子ども60年」展
日本の子ども60年 
ウクライナを皮切りに海外巡回が始まりましたが、(社)日本写真家協会主催の国内展で展示された写真が、作家 重松清氏の解説付きで本になっています。どの世代の方でも感慨を覚えながら鑑賞できると思います。

◆ 「をちこち散歩」新しく伊東豊雄さんと、マイケル・エメリックさんの連載がスタート
東京オペラシティアートギャラリーで、2006年10月7日(土)より伊東豊雄さんの「伊東豊雄 建築|新しいリアル」展が始まります。
マイケル・エメリックさんは、新進気鋭の若手翻訳家・日本文学研究者で、最近では山田太一さんの『遠くの声を捜して』を翻訳されました。

遠くの声を捜して (新潮文庫)

遠くの声を捜して (新潮文庫)

(『遠近』ではお顔はご紹介していませんが、今年2月17日付けの読売新聞で素敵な顔写真入りで詳しいプロフィールが紹介されています!)

『遠近』5号表紙を飾ってくださった本田孝一先生の華麗なる文字芸術の世界、アラビア書道作品集が出版されました『アラビア書道の宇宙−本田孝一作品集』


今回は随分長くなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。今回も、このブログの読者の皆さんの中から先着10名の方(今のところ)に、『遠近』13号をプレゼントいたします。ご希望の方は、ご自身のブログで、「日本発! アニメの魅力」というテーマに関連した記事をお書きの上、このブログにトラックバックをしてください!!
 
トラックバックをいただき次第、発送させていただきます。メールアドレスを公開されていない方は、プレゼント発送のために、ご連絡先をwochikochi@jpf.go.jpまで、お知らせいただければ幸いです。(お知らせいただいた個人情報は、プレゼント発送以外には他用致しません。)
お待ちしています。


次号の12月号は、「日越交流を再発見する」(仮題)です。若い世代の視点で新しいベトナム観を綴るレポートや、日越文化交流に関する座談会記事などを予定しています。どうぞ、お楽しみに!